タッピンねじ・タップタイトの技術資料

タッピンねじ

一般的に言われる小ねじは、メネジ加工が施されていないと締め付けができません。
タッピンねじは、ねじ自体が相手材にメネジを塑性成形することで、メネジ加工が施されていない下穴に直接締め付けができるねじです。
メネジ加工が不要になる、インサートナット等が不要になる事などから、締結コストの削減に貢献します。

タップタイト

タッピンねじと同じように、相手部材にメネジを成形しながら締付けることができ、メネジ加工やナット等が不要なねじです。
タッピンねじはねじ部分の断面が円形状をしているのに対し、タップタイトはおむすび形状(三角形)になっており、以下の点で優れています。
  ・ねじ空転(ねじバカ)が発生しにくい。
  ・小さいねじ込みトルクで締結が可能。
  ・締め付け後に緩みにくい。
当社では、用途に合わせ3種類のタップタイトをラインナップしています。

タッピンねじとタップタイトの特徴比較

品 名 断面図 使用できる
相手部材
ねじピッチの
特 徴
形状の特徴 効 果





タッピンねじ
1種
(Aタイプ)
薄鋼版
(0.4~1.2mm)
ハードボード
木材
タッピンねじでは最も粗い ねじ先端が尖っており、下穴中心の位置決め用のガイドと、ねじの喰いつきを良くする役割がある フォーミング (塑性変形)でメネジを形成。
メネジとのはめあいに遊びがないため、小ねじと比べ緩みにくい。
タッピンねじ
2種
(B0タイプ)
薄鋼版
非金属
樹脂
タッピンねじ1種より細かい 先端の2山から2.5山がテーパー形状 フォーミング (塑性変形)でメネジを形成。
メネジとのはめあいに遊びがないため、小ねじと比べ緩みにくい。
タッピンねじ
2種溝付
(B1タイプ)
薄板版及び厚板
(0.4~5mm以下)
非金属
熱硬化性樹脂
タッピンねじ1種より細かい 先端の2山から2.5山がテーパー形状
先端を1/4カットしてあり、カット部は刃の役割をして相手材を削っていく
切削加工により、メネジを形成。
タッピンねじ
2種ガイド付
アルミサッシ タッピンねじ1種より細かい ねじ先端にガイド部が施されている 先端のガイド部が、サッシ組立時に見えづらい下穴箇所での位置決めを容易にする。





Bタイト 鋼板0.6~3.2mm
樹脂
タッピンねじ2種と同じピッチ 先端がテーパー形状 タッピンねじよりねじ込みトルクが低い。高い締付け力が得られ、耐振性も良い。
Sタイトより締付けトルクが小さい。
Pタイト 熱可塑性樹脂 タッピンねじ2種よりピッチが大きい 2条ねじ
ねじ山角度45度
樹脂の焼きつきが起きにくい。相手部材の割れが少ない。繰り返しの使用でもねじバカになりにくい。
Sタイト 鋼板0.5~5mm 小ねじと同じ
ピッチ
先端がテーパー形状 タッピンねじよりねじ込みトルクが低い。高い締付け力が得られ、耐振性も良い。
ねじ込み後にできたメネジに、小ねじが使用できる。

プラスチック用ねじの種類と比較

  Pタイト Bタイト タッピンねじ 2種溝付
形 状
ねじ山角度 45° 60° 60°
ねじピッチ JIS規格より大 JIS規格タッピン2種と同等 JIS規格
ねじの条数 2 条 1 条 1 条
作業性
(ねじ込速度)
速 い 普 通 普 通
締付最大トルク
(ねじバカトルク)
大きい 普 通 普 通
可塑性樹脂の
ワレ、カケ
起きない 樹脂の種類によっては時々起きる 起きやすい
繰返し使用性能 ねじバカが起きにくい ねじバカが起きにくい ねじバカが起きやすい
保持力 大きい 普 通 小さい
切 粉 発生しにくい
(摩擦粉少々出る)
発生しにくい
(摩擦粉少々出る)
発生しやすい
適用材質 一般可塑性樹脂専門 一般可塑性樹脂、
SPCC、ADC、ZDC
熱硬化性樹脂

各タップタイトの特徴

・Bタイト(汎用セルフフォーミングねじ)

ねじピッチはタッピンねじ2種と同じ。
鉄板、樹脂部材どちらでも使用可能。組み立て製造時にねじの共通化、統合化を図る事ができる。

ねじの呼び径、ねじ込み深さに対する、下穴径と締め付けトルクの目安(対PBT、POM、66ナイロン)

呼び径 項 目 ねじ込み深さ
呼び径×1.0 呼び径×1.5 呼び径×2.0 呼び径×2.5 呼び径×3.0 呼び径×3.5 呼び径×4.0
1.4 ねじ込み深さ(mm) 1.40 2.10 2.80 3.50 4.20 4.90 5.60
下穴径(mm) 1.14 1.16 1.19 1.21 1.23 1.25 1.27
締付トルク(N.m) 0.02~0.04 0.02~0.06 0.03~0.07 0.03~0.08 0.03~0.08 0.04~0.09 0.04~0.07
1.7 ねじ込み深さ(mm) 1.70 2.55 3.40 4.25 5.10 5.95 6.80
下穴径(mm) 1.41 1.44 1.47 1.49 1.51 1.53 1.55
締付トルク(N.m) 0.03~0.08 0.04~0.11 0.05~0.12 0.06~0.13 0.07~0.15 0.07~0.16 0.07~0.16
2.0 ねじ込み深さ(mm) 2.00 3.00 4.00 5.00 6.00 7.00 8.00
下穴径(mm) 1.63 1.67 1.70 1.72 1.75 1.77 1.79
締付トルク(N.m) 0.05~0.12 0.07~0.17 0.08~0.20 0.12~0.23 0.10~0.24 0.12~0.26 0.12~0.27
2.6 ねじ込み深さ(mm) 3.00 4.00 5.00 6.00 8.00 9.00 10.00
下穴径(mm) 2.16 2.23 2.29 2.31 2.33 2.35 2.40
締付トルク(N.m) 0.11~0.26 0.12~0.29 0.14~0.30 0.15~0.35 0.19~0.42 0.20~0.45 0.22~0.50
3.0 ねじ込み深さ(mm) 3.00 5.00 6.00 7.00 9.00 10.00 12.00
下穴径(mm) 2.44 2.49 2.51 2.54 2.59 2.65 2.68
締付トルク(N.m) 0.15~0.41 0.24~0.62 0.29~0.68 0.32~0.80 0.36~0.92 0.36~0.88 0.44~0.87
4.0 ねじ込み深さ(mm) 4.00 6.00 8.00 10.00 12.00 14.00 16.00
下穴径(mm) 3.33 3.39 3.43 3.47 3.54 3.58 3.62
締付トルク(N.m) 0.33~0.85 0.47~1.16 0.62~1.38 0.71~1.72 0.75~1.79 0.87~1.73 0.84~1.98
5.0 ねじ込み深さ(mm) 5.00 7.00 10.00 12.00 15.00 17.00 20.00
下穴径(mm) 4.21 4.33 4.38 4.43 4.53 4.58 4.63
締付トルク(N.m) 0.71~1.64 0.86~2.06 1.21~2.55 1.29~3.07 1.38~3.19 1.56~2.81 1.46~3.31
※最適値は被締結材や相手材のグレード等により変動するため上表の数値は目安値とし必ず実験にて確認願うことを前提とします。
※公差は一般に±0.03mmを基準とします。
・Pタイト(熱可塑性樹脂専用セルフタッピンねじ)

ねじ山は角度45°の2条ねじで、ピッチはBタイトよりも大きい。締付け時に焼付現象の発生が少なく、繰り返し使用してもねじの空転(ねじバカ)が発生しにくい。 ねじ込みの速度が速く、ボスの白化・割れを起こしにくい。

ねじの呼び径、ねじ込み深さに対する、下穴径と締め付けトルクの目安(対PBT、POM、66ナイロン)

呼び径 項 目 ねじ込み深さ
呼び径×1.0 呼び径×1.5 呼び径×2.0 呼び径×2.5 呼び径×3.0 呼び径×3.5 呼び径×4.0
1.4 ねじ込み深さ(mm) 1.40 2.10 2.80 3.50 4.20 4.90 5.60
下穴径(mm) 1.09 1.12 1.15 1.18 1.21 1.22 1.24
締付トルク(N.m) 0.02~0.06 0.02~0.07 0.03~0.09 0.04~0.11 0.04~0.11 0.05~0.12 0.05~0.12
1.7 ねじ込み深さ(mm) 1.70 2.60 3.40 4.20 5.00 6.00 6.80
下穴径(mm) 1.35 1.40 1.42 1.45 1.47 1.49 1.51
締付トルク(N.m) 0.03~0.10 0.04~0.12 0.05~0.14 0.06~0.16 0.07~0.18 0.07~0.19 0.08~0.22
2.0 ねじ込み深さ(mm) 2.00 3.00 4.00 5.00 6.00 7.00 8.00
下穴径(mm) 1.61 1.65 1.70 1.72 1.75 1.79 1.82
締付トルク(N.m) 0.05~0.15 0.06~0.21 0.08~0.25 0.09~0.31 0.11~0.33 0.11~0.33 0.12~0.32
2.6 ねじ込み深さ(mm) 3.00 4.00 5.00 6.00 8.00 9.00 10.00
下穴径(mm) 2.13 2.18 2.23 2.26 2.29 2.35 2.35
締付トルク(N.m) 0.11~0.33 0.12~0.40 0.14~0.46 0.17~0.48 0.20~0.64 0.20~0.62 0.23~0.69
3.0 ねじ込み深さ(mm) 3.00 5.00 6.00 7.00 9.00 10.00 12.00
下穴径(mm) 2.45 2.52 2.58 2.61 2.65 2.71 2.75
締付トルク(N.m) 0.12~0.45 0.20~0.68 0.21~0.73 0.26~0.75 0.29~0.98 0.29~0.93 0.33~0.91
4.0 ねじ込み深さ(mm) 4.00 6.00 8.00 10.00 12.00 14.00 16.00
下穴径(mm) 3.36 3.44 3.48 3.53 3.61 3.66 3.70
締付トルク(N.m) 0.29~0.97 0.39~1.31 0.53~1.54 0.59~1.92 0.62~1.97 0.72~1.89 0.69~2.16
5.0 ねじ込み深さ(mm) 5.00 7.00 10.00 12.00 15.00 17.00 20.00
下穴径(mm) 4.13 4.23 4.34 4.46 4.58 4.65 4.71
締付トルク(N.m) 0.63~2.05 0.83~2.59 1.05~3.27 1.11~3.38 1.17~3.48 1.32~3.05 1.23~3.58
※最適値は被締結材や相手材のグレード等により変動するため上表の数値は目安値とし必ず実験にて確認願うことを前提とします。
※公差は一般に±0.03mmを基準とします。
・Sタイト(金属用セルフフォーミングねじ)

ねじ山は小ねじと同じピッチになり、Sタイトを取り外したメネジに同サイズの小ねじを締付けることができる。

ねじの呼び径、ねじ込み深さに対する、下穴径と締め付けトルクの目安(対鋼板)

呼び径 項 目 ねじ込み深さ
0.4 0.5 0.6 0.8 1.0 1.2 1.6 2.0 2.6 3.2 4.0
1.4 下穴径
(mm)
  1.20 1.21 1.22 1.24 1.26          
締付トルク
(N.m)
  0.06~0.10 0.06~0.12 0.09~0.15 0.11~0.18 0.11~0.19          
1.7 下穴径
(mm)
  1.48 1.49 1.51 1.52 1.53          
締付トルク
(N.m)
  0.08~0.13 0.09~0.17 0.12~0.21 0.14~0.25 0.17~0.30          
2.0 下穴径
(mm)
      1.76 1.78 1.80 1.83 1.85      
締付トルク
(N.m)
      0.15~0.29 0.21~0.39 0.24~0.43 0.27~0.50 0.35~0.53      
2.6 下穴径
(mm)
      2.33 2.34 2.36 2.38 2.41 2.43 2.46  
締付トルク
(N.m)
      0.32~0.59 0.39~0.70 0.47~0.77 0.57~0.92 0.66~0.99 0.75~1.29 0.75~1.26  
3.0 下穴径
(mm)
      2.70 2.72 2.74 2.76 2.78 2.81 2.86 2.86
締付トルク
(N.m)
      0.42~0.78 0.53~0.92 0.60~1.02 0.75~1.21 0.84~1.51 0.96~1.66 0.95~1.63 1.18~2.03
4.0 下穴径
(mm)
      3.61 3.64 3.67 3.71 3.75 3.78 3.81 3.83
締付トルク
(N.m)
      0.75~1.33 0.90~1.55 1.00~1.70 1.28~2.00 1.44~2.11 1.61~2.74 1.97~2.67 1.98~3.34
5.0 下穴径
(mm)
      4.57 4.62 4.64 4.66 4.71 4.77 4.80 4.81
締付トルク
(N.m)
      1.17~2.13 1.39~2.27 1.55~2.73 2.07~3.21 2.33~3.40 2.59~3.50 2.57~4.31 3.21~5.39
計算条件 : 相手材引張応力 SPCC相当σ=372MPa(N/mm2)
摩擦係数μ=0.13         
※最適値は被締結材や相手材のグレード等により変動するため上表の数値は目安値とし必ず実験にて確認願うことを前提とします。

タップタイトの下穴設定注意事項

タップタイトねじは下穴に直接ねじ込むため、お客様の締結状態にあった下穴径の設定が必要です。
下穴径が大きすぎるとねじ込み性はよくなりますが、引抜強度の低下や緩みやすさにつながる可能性があります。
また、下穴径が小さすぎるとねじ込みトルクが高くなり、作業性に支障をきたす可能性があります。適正な下穴径はねじの種類・相手材・ねじ長さ等によって変わります。