座金の種類と特徴について解説!
座金は、ねじやボルトで部材を締結するときに使用する部品です。ドーナツ状の平座金や、一部分が切れているばね座金など、さまざまなタイプの座金があります。
本記事では、座金の役割や種類について詳しく解説します。種類ごとの特徴や使用する場面も紹介しますので、使用する前にしっかりとチェックしておきましょう。
座金(ワッシャー)とは? ねじのゆるみを防止するための板状の部品
座金(ワッシャー)は、ねじやボルトを締め付けるときに、部材との間に設置する板状の部品です。ねじやボルトより表面積が大きいため、座面を安定させたり、ゆるみを防止したり、気密性を高めたりする目的で使用されます。
座金には、さらにもう一つ重要な役割があります。部材にかかる圧力を低減することも座金の大きな役割です。座金は、大きな面積でねじやボルトの圧力を受けるため、部材の陥没や損傷などを防止できます。特に、部材が柔らかい場合や接触面が小さい場合、座金を使用することで接続部分を安定させることが可能です。
座金のサイズは、旧JIS規格や新JIS規格で定められていますが、幅広い用途に使用できるよう、外径や厚さを変更した特別な寸法の座金もあります。
座金の6つの種類

座金には、平座金やばね座金、歯付座金やスラストワッシャーなど、さまざまなタイプがあります。それぞれの6つの座金の特徴や役割について、詳しく見ていきましょう。
1.平座金
平座金とは、平らな形状の座金のことです。一般的に座金というと、平座金を指すケースが多いでしょう。ドーナツ状の丸いもの、四角形の中央に丸い穴が空いたものなど、さまざまな形状の平座金があります。
鉄製やステンレス製、アルミニウム製であるイメージが強いですが、樹脂製やゴム製など、さまざまな素材の座金が存在します。
2.ばね座金
ばね座金(スプリングワッシャー)とは、平座金の一部が切れて、段差が付いているタイプの座金のことです。一般的に使われる2号のばね座金と、重荷重用である3号のばね座金があります。
ばね座金の大きな役割は、部材に食い込み、ねじやボルトのゆるみを防止することです。万が一ねじがゆるんだときは、押さえつけられているばねの反発力により、ねじが脱落してしまうのを防止できます。
素材としては、鉄製やステンレス製のものが一般的です。ばね座金だけで使用するケースもありますが、平座金と組み合わせて使用することもできます。
3.歯付座金
歯付座金とは、内径部や外径部にギザギザの歯が付いている座金のことです。内側と外側の両方に歯が付いている部品もあります。歯付座金の大きな特徴は、歯が部材に食い込むことで、ねじやボルトのゆるみを防止できることです。
菊座金やスターワッシャーなどとも呼ばれ、主に建築土木分野や自動車、電気製品、精密機器の部品を固定するときに使用されます。
4.ロゼットワッシャー
ロゼットワッシャーとは、中央部分に円錐状の穴が空いている座金のことです。横から見ると山のように見えるため、山形座金とも呼ばれます。座面部分が円錐状になっている皿ねじを使用する際に「ザグリ(座ぐり)加工」が必要ないため工程を省くことができ、装飾用途に使用されることもあります。
5.スラストワッシャー
スラストワッシャーとは、滑ることを目的として使用する座金のことです。平座金のようなドーナツ形状ですが、摩擦係数が小さいため、部材同士をしっかりと固定することはありません。
スラストワッシャーは、主に回転する部品の接合部分に用いられます。滑りをよくするのはもちろん、可動部分の耐久性を向上させたり、異音を減少させたりすることもスラストワッシャーの大きな役割です。自動車部品やモーターなどで使用されるケースが多いです。
6.シール座金
シール座金とは、金属部分にゴムパッキンを組み込んだ座金のことです。締め付けることで、座金のゴムパッキンが部材と密着するため、液体や気体が漏れるのを防止できます。
薬品に強いものや腐食しにくいものがあり、自動車や航空機、パイプラインなどの締め付け部分に使用されます。
座金の種類と特徴を把握して適切な部品を選択しよう
ここまで、座金の種類や特徴について解説しました。座金は、ねじやボルトを締め付けるときに使用され、「座面を安定させてゆるみを防止する」「部材にかかる圧力を低減して陥没を防ぐ」などの役割を果たします。
座金を使用するときは、目的や用途に合ったものを選びましょう。平座金やばね座金、歯付座金など、座金にはさまざまな種類があり、それぞれ役割は異なります。それぞれの特徴を理解した上で、適切な部品を選択してください。
なお、当社の座金は金属製、樹脂製、ゴム製の取り扱いがあります。
(シール座金の取り扱いはございません。)