UL規格
民間機関であるUL(Under Writers Laboratories Inc)が、米国・デラウェア州の法律に基づき「公衆の安全の試験」を目的とする非営利機関として認可を受け、独自に「新しい電気製品、部品、及び材料に関する試験評価、安全規格の制定」を行ったものである。
プラスチック材料に関するUL規格
プラスチック材料に関するUL規格は、主にUL94とUL746である。UL94はプラスチック材料の燃焼性の規格であり、UL746はプラスチックの基本特性の評価規格である。UL規格に認定を受けたプラスチック材料は、その評価の主要値を「イエローブック」や「イエローカード」に記載される。
UL94は成形材料の燃焼試験法とその結果に基づくランク付けを示している。
プラスチック材料に関する代表的な試験法は、以下の4種類である。尚、1991年6月18日付けで第4版が発行され、最新の改訂が1994年5月18日に行われている。
試験方法 | 適用材料 | 燃焼性の区分 |
---|---|---|
水平燃焼試験(図1参照) | 除燃性材料 | 94HB |
垂直燃焼試験(図2参照) | 難燃性材料 | 94V-0,94V-1,94V-2 |
94-5V燃焼試験 | 難燃性材料 | 94-5VA,94-5VB |
発砲材料燃焼試験 | 難燃性材料 | 94HBF,94HF-1,94HF-2 |
UL規格の試験方法
(図1)UL94HB水平燃焼性試験方法と評価基本
主な試験条件
- ■バーナー
- 長さ100±10mm、内径9.5±0.3mm
- ■炎の大きさ
- 20±1mm
- ガス流量
- 105ml/min
- 炎は、ASTM D5207に従った校正が要求されている
- ■ルームコンディション
- 温度15~35℃、湿度45~75%
- ■サンプル形状
- 125±5mm×13±0.5mm×厚さmm
- ■試験はサンプルをデシケーターから出して、30分以内に行う。
評価基準
- ■25mm標線と100mm標線間(75mm幅)を、40mm/分以上の速さで燃焼しないこと。
但し、サンプルの厚さは3.0mmから13mmの時とする。 - ■炎の大きさ
- ■25mm標線と100mm標線間(75mm幅)を、75mm/分以上の速さで燃焼しないこと。但し、サンプルの厚さは3.0mm以下の時とする。
- ■100mm標線の手前で燃焼が止まること。
(図2)UL94V垂直燃焼性試験方法と評価基本
主な試験条件
- ■バーナー
- 長さ100±10mm、内径9.5±0.3mm
- ■炎の大きさ
- 20±1mm
- ガス流量
- 105ml/min
- 炎は、ASTM D5207に従った校正が要求されている
- ■ルームコンディション
- 温度15~35℃、湿度45~75%
- ■サンプル形状
- 125±5mm×13±0.5mm×厚さmm
- ■試験はサンプルをデシケーターから出して、30分以内に行う。
試験法
- ■10秒接炎後、炎を放し、燃焼時間を測る。消炎したら、再度10秒接炎し炎を放し、燃焼時間を測る。
- ■以上の操作を、5本1組で評価する。
判定基準 | 94V-0 | 94V-1 | 94V-2 |
---|---|---|---|
10秒接炎後の燃焼時間 | ≦10秒 | ≦30秒 | ≦30秒 |
トータル燃焼時間(5サンプル) | ≦50秒 | ≦250秒 | ≦250秒 |
2度目の接炎後の火種の保持時間 | ≦30秒 | ≦60秒 | ≦60秒 |
10回の接炎時のクランプまでの燃焼 | 不可 | 不可 | 不可 |
ドリップ時の脱脂綿の燃焼 | 不可 | 不可 | 可 |